金曜日

26■試薬品と局方品とコスメグレード品と食品添加物と工業品

■試薬はさまざまな実験に使う目的があるため、
成分の細かな表示が必要です。
もちろん純度の高さも要求されますが、
それよりも何が混ざっているかとか純度の割合の方が重要です。
何が混入しているか分からないものは実験に使えませんからね。

そのため価格的には高くなります。
苛性ソーダは500gで800円くらいします。
もちろん実験用だけでなく工業的にも使われています。


■局方薬品は、薬としての使用基準が元になっているわけなので、
その条件さえ満たしていれば、

純度の高さや混入物の詳しい成分表示は必要ありません。
試薬に比べて表示が少し簡単になっているものが多いです。
価格的にはやはり高いです。


■コスメグレードと言う基準はありません。
化粧品用に調整された材料と言う風に受け止めればいいでしょう。

ココナッツオイルから肌への刺激成分を取り除いたオイルや、
クリーム用に乳化しやすいように水酸基添加したものや、
扱いやすいように色々なものを混合したものなど、
その形態は用途に合わせて様々なものがありますが、
製造メーカーがその内容を公開していないものが多く、
実際はどのような代物か良く分からないものがあります。

そのためこのコスメグレードと表示されているものを使う場合は、
その表示されている用途以外には使わない方が良いのです。

また増量してごまかしているものもあるため、
材料に対する知識をしっかりと持った方が良いです。

価格はピンキリで、
同じ成分のものがコスメグレードのコーナーに置かれるだけで
何倍もの価格になったりすることもあります。

特にアトピーなどでこれしか使えない人は
内容を明記しているものを選ぶようにした方が良いです。


■食品添加物は一見もっとも安全で
純度が高そうに思えますが、実は逆です。

食べてはいけないものが入っていなければ良いと言う規準のものですので、
苛性ソーダなどは確か95%(?)93%(?)以上あれば良かったはず。

口に入れるものよりも肌に使うものの方がよりシビアなんです。
そのため苛性ソーダ(フレーク状)のものは、
500gで、ビン入りで500円くらい袋で400円くらいと安価なのです。


■工業品はその用途によってすでに調整されているものと
純原料のものとに分かれます。
(他のものでも一緒ですが)基準は主にJISです。

苛性ソーダのJISでの基準は96%以上ですが、
産業によってはもっと高いグレードのものが必要なところもあるので
いろいろなランクに分かれています。

A社は97%以上を自社基準としていて、
袋への表示は99%としています。
試薬品との大きな違いは、
試薬では重金属の含有を抑えていることで
そのため試薬は高いのです。
でも実際に石けんに使う場合、その差はほとんどありません。

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